虜_02
パラレル
パロ


■ 大天使レン視点


本当は暫くの間、地上であの子とふたり、愉しく過ごすつもりだったのだが、
その企みが百瀬さんのご注進により天界の社さん(俺のお目付け役)に早々にバレてしまったため、
俺は仕方なく人界を引き払った。

あの日、あの時、天使狩りとかいうふざけたイベントの標的にされた配下の百瀬さんの悲鳴を聞きつけて、
悪魔どもの手から彼女を救おうと手を伸ばすと、乱入してきた小さな塊に先を越された。
同じ悪魔同士とはいえあきらかに格が違う相手に向かい、
なぜか天使を助けるために決死の覚悟で挑みかかる小悪魔に、俺は一瞬で心を奪われた。

稲妻を落とし、屍食鬼どもを追い払い
…あの頭目と思しき銀の髪の高級悪魔が、仲間を救う事を優先させたために
それはそれほど大事にはならずにすんだ…
百瀬さんには天界に戻るよう命じて………森の中にあの子をいざなった。

生れ落ちてから一度も男の精気を吸った事がない淫魔。
そんなものが存在するとは思わなかった。
あまりにも飢えたようすがかわいそうで、最初はご褒美もかねて一度だけのつもりで体を与えたのに、
涙さえ浮かべて夢中でしゃぶりつき、必死で貪られて、愛しさがほんものにかわってしまった。

( 俺、Mっ気あったかな…)

可愛い、小悪魔。
どれだけ飢えを飲み込んできたのだろう。
俺よりは随分幼いとはいえ、空腹を抱えて生き続けるのは決して短い時間ではなかったに違いない。

白いものが好きだと言う。綺麗なものが好きだと言う。俺のことを羨望と好意に満ちた目で見つめる。
百瀬さんの無事を知らせた時、あの子は目に見えてほっとしたようすになり、満面に笑みを浮かべた。
汚してはいけないものを守りたかったという。でも自分には力がなくて…と。

天使として生まれたかったと、妖精として生まれたかったと。
だから、悪魔として生きる術を行使する気になれなくて…と。

可愛いのに。悪魔でも。
でも、彼女がそんな子であるからこそ、俺は今あの子のたった一人の糧としていられているわけで…。

悪魔にしては光への耐性がかなり強い娘だけれど、さすがに天界に連れ帰るわけにはいかなかったので、
天と地のあわいに、巣をかけて、彼女を囲った。天界でも、魔界でも、人界でもないどこでもないどこか。
俺の統治する空の世界を模した小さな空間に、あの子の大好きな花を敷き詰めて。

いたいけなかわいいものを二度と飢えさせないであげたくて。
俺の全部をあの子に食べさせたくて。

勿論、それは、天使である俺にとってさえ、長く続ければ自殺行為に他ならないのだけれど。


***


「 もう、いいです、敦賀さん……」

熱に浮かされたようなあの子の喘ぎ。
あの子の好みの花の褥でむつみあい、抱き締め、あの子のうちに自身を穿とうと身動きすると、
あの子は弱々しく俺を押しのけようとした。

「…そんなにしたら……だめです、―――――――――敦賀さんが… 」

かまわず、熱く猛ったものをあの子のそこにあてがい、貫く。
細い腰がふるえて、のけぞった。
甘い悲鳴…悦びにあふれた、でもどこか咎めるような。
そんなふうに言っていても、もっと夢中になったら、俺をしんから喰らおうと、うんと淫らに乱れるくせに。

赦してくれ………と、一度ならず音を上げた。
引き倒されて、上からいやらしくのしかかり、いつのまに覚えたのか
男を骨抜きにするような腰使いで責められて。

( もう…――――出ない、 無理だから…… 死んでしまう……)

精も根も尽き果ててさえ、あの子の中には硬く屹立したままの俺がある。
一度ごとの甘美なる死………。

(駄目です、まだ…許しません、―――――美味しいんです、敦賀さん……もっと )

舌なめずりをして、赤い唇が俺の唇に重なり、割って…からみついて。

(食べさせて………――――――――――――)

そのあでやかに咲き誇るような淫靡な花に、俺は夢中だった。
俺の命を糧に育ち、目にも肌にも髪にさえ男をかき乱す甘美な毒をくゆらせて、
存在する場所に淫猥な気配を撒き散らす女悪魔。
中身はいたいけな少女のままのあの子は、時々自分のそんな有様に違和感を覚えるようで、
俺の腕の中で時折悲しそうに目をふせる。

(……私は……こんなふうに……)

天使や妖精という存在形態に焦がれる君には、その姿はとても辛いかもしれないね。
でも俺は。 きみがきみのままでいるその姿をとても美しいと思い、愛しいと思うのだ。
君は気付いていないのかもしれないけれど。
天使と悪魔というのは、ことわりとしてのあり方の違いをシンボリックにあらわしているだけで、
本来そこに対立の構造などはないんだよ。

美醜のわけへだても、正邪の別さえ。

………随分長く存在した。
光あれという神の呼び声に、はじめはこの世をこの世たらしめんための法則のひとつ、そのものとして。

だから俺は。

俺としての存在が潰えても。

きみにあたえつづけたい。

…それはそれで喜ばしいことであり、なんらかまうものではないと思うから。


『 そんなことは駄目だ、蓮 』


社さんの声。俺より少し早くに誕生した、俺を導くために存在する、もうひとつの大きな理。


『 天界は……、いや、俺たちは、おまえという理を失うわけにはゆかない――――――――――――』


うしないたくないんだ――――――――――――――。


( あの悪魔を殺しても )


そんな事はやめて下さい。
あの子は俺の命そのもの。
注ぎ込んで、あんなに華麗に咲き誇った、俺の。


運命の娘だから…。


*****
■ キョ悪魔視点


“意味” に気付いたのは、まぬけにも殆ど手遅れになってからだった。
敦賀さんの用意してくれたこの世界が、静かに滅んでいこうとしていること。
境界に咲き誇る花々が、音もなくその花弁を散らしていくのを、美しいとさえ思って眺めていた。
手を伸ばすと、やわらかな花弁はそのまま煌く結晶となって、私の手の中にとどまった。
世界が少しづつ、天空の花畑から、ほの暗く煌く黄昏の岩場へと変じていくのを、
自分がやっているとは思わなかった。
それだけのものを、彼から奪っているのだ…なんて。

彼は、衰えていることをひたかくしにしたまま、わたしに与え続けた。
はじめの遠慮が欲望に飲み込まれると、私は自分の欲求のままに彼を犯してしまい続けた。
力なく投げ出された四肢のはかなさ。辛そうに寄せられた眉、反らされるしなやかな背。
……艶かしくさらされる喉。彼の全てが私をかき乱す。
薄い唇から漏れる喘ぎを吸い取って、なにもかもをいとしんで。

彼のいのちそのものを淫らに体におさめたまま、もっともっとと欲しがる私に、
彼はどうして与え続けたりなんか、したのだろう。

違う。わたしだ。
わたしはどうして、悪魔なんだろう。
いや、悪魔だっていい、だけどどうして、こんなにも……

(我を忘れて、喰らい尽くして)

肌を合わせるたび、愛しい人が死んでいく…なんて、そんな、そんなの。

(非道すぎる………)

自分の浅ましさが憎かった。

さらさらと、花が散る。
待って、いかないで……。敦賀さんの。
………この世界が、彼そのもの…なのに。

どうしたら止められるのだろう、この崩壊を。
それができるなら、私はなんでもするのに。

一度ならず、ここから去ろうとした。そのたびに、彼は微笑みながら、私を捕まえに来た。
そして何度目かの時に、彼は眉間のあたりにひそめた怒りをほのみせながら、
私をこの世界、そのものに繋いでしまった。


( いなくなっては駄目だから )


狂気にも似た。
………もしかすると、だから本来、わたしたちは触れ合うようにできていないのだろうか。
光と、闇が出逢った時に生じてしまう歪は、意識と思考の埒外にある、存在としての根幹から来るのだろうか。
制御できない強い衝動。
私はあの人の光に狂い、
あの人は私の闇にのみこまれることを望んでいるかのように。


「 ――――――――――――――――――― 」

ふと、呼ばれた気がした。

(そこを出て、こっちにおいで、キョーコちゃん……)

いつか聞いた、もう一人の大天使の声。
かちり、と、足をとらえていたいましめが解かれた。

(蓮を助ける方法を――――――――――――教えてあげよう……)

黄昏が溶明する。一瞬広がった青空に、花が舞い、音もなく風にスライドした。
どこかの廃墟のような……閉ざされた空間。その城壁の頂に、私は立っていた。

「 こんにちわ 」

社さんという大天使はひっそりと微笑んだ。
敦賀さんとはまるで違う、でもとても怜悧な、美しい顔をして。

私は、彼の中に戸惑いと逡巡と、 わずかなためらいの奥にある、
つよい覚悟のようなものを見て取って、胸を痛めた。

彼がそっと歩み寄ってくる。ひとみの色が強く輝き、つとのばされた手が私の喉に触れる。
……つめたい、氷のような。

駄目だ、と思った。
光の御方に、こんな事をさせてはいけない。
彼は、覚悟をしている。ことが終わった瞬間に、堕してしまうことを。
自分が二度と、光輪を背負い、眩しく煌く光掲げるものとしていられなくなることを。
――――――――――敦賀さんのために。
わたしのせいで。

「いけません」

わたしはそっと彼の手をおしやった。

「あなたは、こんなことをしては、いけません」

それは私が自らに科すべきことなのです。
いまならそれが敵うことで。

ようやく、目の前がひらけたような気がした。

社さんはそっと目を瞠って私を見、私の喉に手をかけようとしていた自分の手を見つめた。

閉ざされた空間の外。
敦賀さんの世界と、その他の世界が重なる0と1の狭間に…虚無が。
私は思わずといったように引き止めようとする光の御使いの手をすりぬけて、
そちらをめがけて身を投じた。

誰かが叫ぶ、大好きなあの人が、悲鳴をあげて。
もう、あの美丈夫なすがたに受肉することもかなわないくせに。
大好きです、生まれて初めて、命を呉れたひと。
だからこんどはわたしがあなたに命をかえしたい。

悪魔なんかじゃなかったら………。
ずっとそばにいられたのかな。



私が私である所以、その組成のすべてが、どこでもないどこかで緩やかに分散をはじめた。
はめられた “箍” から、彼のそそいだ命があふれて、光が渦を巻く。
私自身が、飛沫のように…じょじょに溶けて、散る。

愛しています………。


( ――――――――天晴れ、見届けた )


ふいに、世界が鳴動した。
いくつかの、鈴をふるような笑い声が虚無の底から響き渡る。


( 生まれなおせ、おまえに注がれた光を使って―――――――)


下腹部のあたりがぼんやりと光って、驚いていると、さらに周囲が激しく蠢動した。
大きな衝撃。1と0の逆転、ネガとポジが入れ替わって、裏と表が同じものとなり、
私は私を私自身から見つめている幾百もの自分を見た。
無数の “私” の連続多面体…。
耳をつんざく雷鳴…全てが掻き消えて、私がうしなわれる。

そうして……


自他の区別のないただ “在る” 世界の中で、
私は自分の胎内に息づく、ひとつの命を感じた―――――――。


*****
■ 大天使レン視点


あの子を拾った森を望む廃墟に座し、俺はぼんやりと空を見つめた。
空は高い。世はなんの憂いもなく、今日も続く。
俺から、あの子が奪われてしまったということ以外は。

社さんは、結局彼があの子を手にかけたわけでもないのになぜか酷く落ち込んでしまって、
そのせいでこのところ風の理が少し乱れているようだった。

それで、俺は、この先どのくらいを…存在し続ければいいのだろう?

あの子なしで。
あの可愛い子はもういないのに。

涙で紛らわすことが出来るような、そんな生易しい気分ではなかった。

ふと、目をあげる。
黒い影が、上空をよぎった。

それを、複数の白い影が追う。


( 悪魔狩りか――――――――――――――)


悪魔たちによる天使狩りに業を煮やした力天使たちの一群が、最近はじめたときいた。
天界の領域ちかくにいる悪魔を見つけ次第捕らえて、
天の階にぶらさげて魔力を搾り取った後、魔界に放す…という。

興味なく、みるともなしにそちらを見る。
追われている悪魔は、黒い髪の女性形のようだった。

つと、胸が痛むような思いに、立ち上がり、翼をひろげる。

ひどい子だ。本当に。
俺をこんなふうに、苦しめて。
………でも、そうか…。

(本来ならば……)

失うのはあの子だったのだと思うと、少しだけ、慰められる。
俺という糧を失ったあとのあの子が、再び空腹に苦しむことだけはもうないのだということ…それだけは。

勿論、俺だって、あの子を残していく時には、その後を自適に過ごさせてあげられるよう、
色々と考えてはいたのだけれど…。


「 ちょっとなによー!!あんたたちっ、ふざけんじゃないわよー!!」


森の中をつんざくように響く威勢のいい女悪魔の怒鳴り声にふともの思いから引き戻されて、俺は苦笑した。
悪魔狩りは別段、天使狩りのような残酷な遊戯ではないが、捕らえられた悪魔にとっては最悪な状態には違いない。

…贖罪の気持ちなんだろうか?俺の心は、あの女悪魔を助けてやろうか、と思い始めている。


「 モー子さぁん!!!! 」


手を伸ばそうと身じろぎすると、混乱した場に小さなかたまりが飛び込むのが見えた。
…このパターンは、どこかで。

胸が、ひとつ大きな鼓動を打つ。
まさか…という思い。

天使たちが、いままさに捕らえんとしていた悪魔に向かって飛びつき、
かばい守るように周囲を睨む、人間の女に鼻白んだ。

まさか、あれは。

ゆっくりと、焦点が合うように、その姿が大きく目に飛び込んでくる。
悪魔ではない、悪魔でこそない。でも、あの娘は――――――――。

( キョーコ )

俺は、その瞬間、何もわからなくなって、ただ己の衝動のままに、そこに飛び立つべく、大きく翼を広げた。


***


「……く、くるしい…です、敦賀さん……」


一匹の悪魔と、一人の人間を俺の権限でひきとり、騒動を収束させたあと、俺はあの子を懐に抱き込んで放さなかった。
砂を吐きそうな目で俺とあの子を見る女悪魔が、あきれたようにイライラと鼻息をついた。


「 あんたってば、最近全然連絡取れないと思ったら一体全体なんでそんなことになってんのよっ」


送る魂も宛先不在でもどってくるし。気になって訪ねてきてみれば天使なんかに言いがかりつけられるし、と、
ぶつぶつ怒っている。 挙句の果てに人間に転生ですって!?と憤慨し、地団駄を踏み出し…

「 そんでこの大天使はなんなのよ!!!」

…激しく指をさされた。

…そのぶっきらぼうな物言いの影に、あの子への純粋な好意を感じ取って、すこしほほえましく思う。
と、こんどはギヌロ、と睨まれた。

友達だというこの女悪魔に、俺のことを、なんと説明するのか、期待に満ちて腕の中の少女を見ると、
あの子はうっすら頬を染めて………このひとは、恩人、……と言った。 ………。

恩人? そうなんだ。
抱きしめる腕に力をこめて、思わず微笑むと、二人の表情が凍った。
それでようやく、女悪魔にも俺とあの子がただならぬ関係であると知れたらしい。
混乱の窮みに達したような顔をして、しばらく俺とあの子を交互に見やり…彼女は目を閉じて息を吐いた。

「 いいわ、今日のところは私もなんだか混乱してるから、出直してくることにする」

ようやく、気を利かせて欲しいという無言の威圧が届いたか…と目を眇めると、

「 ちょっとそこの大天使 」

ふたたび睨まれる。

「 ちょっとこの子ってば変わっててアレだけども、この子にうかつな事したら赦さないから!!!! 」

言い逃げ御免、とばかりに黒い翼を広げて飛び立つ。
それを見送るように頭をめぐらせ、腕の中で、少女が モー子さんてば…とつぶやいた。
うかつな事とは、具体的にどのようなことだろう…と思うと、少し可笑しくなった。
既にうかつな事はやりつくしているような気がして。


その後、問わず語りに彼女が語った事に拠ると、どうやら彼女を人間に転生させたのは、
俺の父である天使長(クー・ヒズリ)と、その親友の大魔王(ローリィ・宝田)のようだった。

「 …私の中に、光のエネルギーが過剰に充満していたので…できたと、
おふたりはそのように笑っていらっしゃいました、蓮に感謝するように、と。」

ザワッっと肌がそそけるような羞恥。
自分の寝所を親に覗かれたようなバツの悪さに、俺は小さく咳払いをした。

それでも、この子はいま腕の中にある。
それを思うと彼らの前に額づきひれふしたい気持ちになった。

「………俺は、君にとって、単なる恩人だったのかな?」

ふと、意地悪く聞いてみる。
あの子は、がばっと顔をあげて、くちびるをあわあわとさせた。頬を赤く染めて…。

その、慌てる様子が可愛くて、思わずひきよせる。
あの子の匂い。
腕の中に帰ってきた…俺の。
もう二度と離さない…と思うと、ツクン…と欲望に火が点った。

くちづけを求めてあの子の顔を覗き込むと、真っ赤になったまま、かたまっている。

(………? )

「……あ、あの……敦賀、さん……」

「………うん……?」

「……非常に、こんな事を申し上げるのは恥ずかしいというか、なんというか…なのですが…」

「………なに……?」

髪にくちづけて首筋に指を這わせて。

「社長と、先生から…―――――――ご伝言が。」

「……………」

ちょっと目を眇めてみたり。


「………人間に転生したてのまっさらな娘なのでくれぐれも無茶はしないように…―――――だそうです」


………。

さぁて。それはどうかな。

うっすらと笑うと、腕の中であの子が身じろぎをした。
ほほえんだまま見つめると、激しく怯える。

「つっ…つるがさん、いま、目が…目が。」

(大魔王みたいになりましたっ)


「………聞こえない」


(―――――――――――――――― もうなにも)


「 ごめんね? 」


そして俺は、あの子の頤をとって、激しい夜を迎えるべく、その唇に唇を重ねた。




*****
■ エピローグ―大天使レン視点


「 私は…また、あなたを置いていく事になるんでしょうか…? 」

人の世に家をかまえ、あの子と暮らす日に、あの子がふと言った。
人の時の流れと、俺を流れるそれの長さが、随分違う事。
当然知っていたはずのことに、胸を衝かれるような思いを抱くこともままある毎日。

俺は、あの子を抱き寄せる。
安心させるように…自分の思いを伝えるように。
ゆっくりと笑って。

「 ………だいじょうぶ…」

たくさん、光を注いであげるから。

( こんどは天使で生まれておいで……… )

見詰め合う。この愛しい存在。

それがだめなら。

輪廻転生の中にいる君の事を、こんどは俺が…。


「 追いかけていくから 」


人として……人の中に。


だから、安心しておいで。


俺は金輪際…君の傍をはなれたりしないから。


(了)

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